血便が出たときのアルゴリズム

<最初に確認すべきこと>
・失神
・発汗・動悸
・明らかに250ml以上の出血がある
これらがYesの場合、緊急の状態と言えます。
①高血圧、糖尿病、高脂血症、不整脈、癌などで内科にかかっている場合にはその内科に連絡。当院に毎月来院されている患者さんは当院へ連絡。
②そうでない場合は救急対応できる医療機関に連絡し受診してください。当院は対応できません。

注1:250mlという量は便器が赤くなる、どころではありません。
注2:これは出血性ショック、という状態であり、下痢によっておきる迷走神経反射とは違います。

<それ以外の血便>
①高血圧などで内科の開業医にかかっている場合には、その医療機関に連絡してください。消化器内科のある医療機関に紹介してもらってください。(当院は他院の患者さんに対応できるリソースはないので紹介先としては不適当です)
②主治医が決まっていない場合は、内科に相談してください。年齢や性別、嗜好品、過去に受けた検査歴、治療歴などにより選択されるべき検査や治療は異なります。その内科で出来ることはその内科で行われ、それ以上が必要な時は適切な医療機関の紹介があると思います。説明がきちんとしていない内科には今後かからないのが良いです。

<どのような病気があるか>
・裂肛:切れ痔のことです。比較的患者さん自身がそれとわかっている事が多く、適切な指導や治療、予防方法の伝授、extraな戦略決定などが外来で行われることとなります。
・血管異形成:大腸内視鏡検査をしないとわかりませんが、毛細血管からの出血はかなり多い原因です。
・がん、ポリープ:大腸内視鏡検査で確実に診断できるので、適切に対処しておきたい疾患です。1年前に内視鏡検査済みの人ががんを心配するのは、論理的であるとは言い難い。
・虚血性腸炎、放射線性腸炎、感染性腸炎など:さまざまな原因で腸炎がおきます。虚血性腸炎はエコーで診断しますが、内視鏡検査が活躍します。
・憩室出血:頑固な出血が続く場合があります。予め大腸内視鏡検査をしておくと、いざというときの対処がしやすいです。
・炎症性腸疾患:クローン病、潰瘍性大腸炎の診断を迅速に行うことは大切です。
・内痔核:診断、治療の他に、教育も大切な病気です。
・小腸や胃などからの出血:色調やバイタルサインなどから、大腸よりももっと上部からの出血を疑う場合があり、そのほうがより重症なので、迅速に検査が行われる必要があります。

<根拠のない心配は避け、科学的に診断に導いてくれる先生を探す>

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